山村流について

山村流は上方四流(山村、井上、吉村、楳茂都)の中で最も古い上方舞の流儀です。

役者の山村友右衛門の門弟であった山村友五郎が流祖で、文化文政期に上方かぶきの振付師として当時の三世中村歌右衛門や三世嵐三五郎、二世中村富十郎など一流の役者に「歌右衛門狂乱」「三ツ面椀久」「六歌仙」等を振付しました。

天保5年には「山村舞扇斎吾斗」を名乗り、観世流の能の舞を取り入れた独自の地唄舞を確立、大阪の商家に門下を育成し一流派を樹立しました。
能から出た行儀のよい舞は商家の子女の行儀見習いの心得とされ、谷崎潤一郎の「細雪」にも登場します。

現在の御宗家(山村友五郎)は流祖以来の男性の家元として、古きよき大阪の匂いを残す上方舞の伝統の維持・継承にご尽力されています。